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2023.12.23 07:00ゴー宣道場

大学無償化 ホントに3人無料???

土曜担当・よっしーです。

岸田政権が少子化対策として2025年度から「子供3人 大学無償化」をぶち上げましたね。

https://news.yahoo.co.jp/articles/7032eaef21cb5e2765e78ad439ecc30cd56f3517

 

我が家は3人子供がいて、3人目が来春大学生。

おおっ!もしかして我が家も対象になる?

と一瞬目が輝きました。(←すみません、本音です)

 

早速調べてみると、

扶養している子供が3人以上いれば、大学に通う子供の大学費用を「上限ありで」支給する、という制度らしい。

支給されるのは入学金と授業料(上限あり)で、設備費などは含まれません。

支給に上限がある時点で無償化とは言えないし、言葉を誤魔化しているのでは?

 

我が家の場合は、上から社会人・大学生・高校生の3人子供がいますが、現在扶養している子供は2人

従って、我が家は対象外!となります。

 

「扶養している子供」というフレーズがミソで、このような『カウントマジック』は国がよく使う手口です。

ちなみに、「児童手当」も現在、高校3年生までの子供の数をカウント対象としていて、

例えば、子供3人いる人の第1子が高校卒業したら第2子を支給対象の1人目第3子を支給対象の2人目とカウントするので、第3子の支給額が第1子・第2子より多い設定でも、長子が高校卒業すれば、第3子は2番目の子としてカウントするため、支給額が減る仕組みとなっています。

ややこしいですね(^◇^;)

注)批判を受けて、2024年から児童手当のカウント方法を変えるそうです。

 

今や大学生の半数近くが奨学金(という名の借金)を使っていると言われています。

「大学行きたい」という子どもに「お金がないからあきらめて」と出来れば言いたくないけれど、自分の経済力では子供全員分の学費を出せないから、子供の数をセーブしておこう・・・。

そう考える親を対象として、「子供3人産んでも大学まで安心して行かせられますよ」とアピールしたいのでしょうが、蓋を開けてみたら扶養している子供というフレーズがついているせいで、あまり有効な少子化対策になっていないことがわかります。

 

具体例:3歳違いで子供3人産んだ場合

■子供を3年おきに、3人産みました。

■第1子が大学入学。(3人扶養中・第1子が支給対象)

■3年後、第2子大学入学。(3人扶養中・第1子・第2子が支給対象)

■1年後、第1子が大学卒業で就職。第2子は大学2年生。第3子は高校生。

この時点で扶養する子供が2人になったので「扶養する子供が3人以上」の条件から外れ、第2子の支給も終了。第3子の支給は全くなし

はい、あっという間に支給は終了いたしました!

 

このモデルケースのように、3年おきに3人産んだケースでは、第1子の大学費用4年分と、第2子の大学費用1年分だけが「上限付きで」支給(無償化ではない)されるだけ、ということがお分かりいただけるかと思います。

頑張って3人産んでも、もし第1子と第2子が4歳以上離れていたら、「扶養のカウントマジック」で、3人とも全く支給されない事も起こります。

 

私は、経済的理由で子供2人いる友人が子供3人目を諦めたケースも知っており、少子化対策としての経済対策をすることを簡単に否定は出来ません

人知れず、3人目を諦めているご夫婦もきっと沢山いるはずだと想像します。

でも、上記のモデルケースでみるように、3人産み、且つ扶養する子供が3人いる場合というヒジョーにタイトな条件のもとで、支給上限ありを『無償化』という言葉で誤魔化しながら行う政策は、少子化対策のための経済対策としては有効ではないと思ってしまいます。

「扶養する子供が3人以上の場合が支給対象」「無償化だけど実は上限あります!」という重要な条件の事実を、テレビなどでもっと強調して報道しないとダメではないでしょうか?

(もしかして忖度してる?)

 

このような中途半端な政策で、

「よーし!3人産んでも1人分くらいは大学費用かからないなら、3人産もう!」

と思う人、いるのかなぁ???

そもそも、3人以上産んだ人だけに大学費用の一部を免除することが、本当に少子化対策になっているのかしら?

確かに、大学費用は莫大です。

私立理系大学なら、4年間で約700万くらいかかります。(理系は高い)

3人分全て親が出そうとしたら、家がもう一軒建ちます(笑)

でも、大学生はすでに成人に達している年齢(今は成人年齢18歳)で、大人です

そもそも、高校卒業後の進学費用は全て親が出すべきなのでしょうか?

自分で奨学金を借りてでも行きたいと思うなら、大学へ行けばいいのでは?

大学費用まで親が出すという考えそのものが、経済的に豊かだった高度経済成長期・バブル期の発想なのでは?

 

・・・と、今回の政策をきっかけに、色々な疑問も浮かんできますが、

間違いなく言えるのは、今回の政策は少子化対策として異次元どころか中途半端な対策にしかなっていない、という事。

私は引き続きしっかり働き、我が家の子供達には自分の道を自分で切り拓いていく逞しさを身につけて欲しいと改めて願った、今回のレポートでした。

 

「無償化」という甘い言葉に騙されたらイカンよ!

 

 


 

 

【トッキーコメント】
ったく、官僚ってのはわかりにくい表現を駆使して国民を騙すことしか考えていないんですかね?
それも、政治家の要請を受けてのことなんでしょうけれども、ナメた話だなあと思うしかありません。

 

 

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